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超密集地帯

16、〜超密集教授〜

超密集教師の続き




カルボナール=フラーは、優秀な男だった。

賢く、博識で、慎重、そして冷静な思考の持ち主…だった。

時折大胆な行動を起こし、結果をつかみ取る、教授としての地位も納得の存在…だった。



だが今の彼は違う。あらゆる部分において、変化…というか劣化していた。


「ふわぁっ、ふわぁ〜〜〜っふは・・・んん・・・・」


寝坊ギリギリの時間、ようやく彼は目覚める。


マージベーカリーの家族たちに何度か呼ばれ、ようやくベッドから起き上がる。
ベッドと言っても、布団に近い。彼の重量を支える足は4本どころか40本でも足りないだろうし、浮かせる必要性は全くない。

…布団と言い直すべきだ。

その布団から体を起こす…が、自分では何もしない。フラーが起きたのを自動認識したサポートメカがあらゆる助力を尽くしてくれる。



仰向けだった上体を起こし(重度肉塊なのでほぼ変化が無い)、着替えるよう指示をする。

とはいえ服はすでに羽織るものですらない、まるでハンカチを乗せるかのようで。
腕は袖を通すことは出来ないから仕方がない。


「ふわぁー・・・ぁ。むぅ、まだ眠いな…それに、お腹が空いた」

自分ではまぶたをこする仕草すら出来ないので、それも機械に頼る。

寝ている間も、自動的に食糧が与えられ続けているが、それでも空腹感を覚えるのは体が巨大すぎるせいだろう。


文字通り部屋いっぱいの肉体は、その体積を維持するだけでも大変だ。

放っておけばそれだけでみるみる体重は減るだろう。それでも太り続けるのは、尋常じゃない食事量に問題があった。


ずりずりと引きずりながら、食卓へ向かう。
すでにハリアさんやダグラスさんはテーブルについている。
テーブル…というか、実際は腹テーブルなのだが。ハリアさんが料理を作るだけでは間に合わないので、ダグラスさんが店に出すパンとは別に自分たちが食べる用も余分に焼いている。
70種類ものパンが用意され、その1つ1つが相当のボリュームだ。

たとえば、そこの唐揚げサンドなんて、15個もの巨大な唐揚げ、分厚いシャキシャキレタスにくわえて、たっぷりとしたコーンの入ったナポリタンまで入っている。
そのパンは仮に両手で持とうとしても無理なほど、溢れんばかりの巨大さだった。

当然、掴んで食べる…という行為は物理的にも不可能。だから、陣術に頼るし、機械に頼る。


「あぁーーんぐぅっ」

6段重ねのてりやきハンバーグをガッツリとかみしめ、内側から溢れる肉汁がほっぺたを垂らすほどの量出てくる。

「…それにしても、フラー先生この頃食べ過ぎじゃないですか?」


不意に、ダグラスさんにそんな事を言われ、ドキリとする。

「そっ、そうですか? いやぁ、同じぐらいだと、もしゃもしゃ、思いますけどグビグビグビ…」

まるで演奏をするように両手のコントロールパネルを操作し、部屋に取り付けられた専用食事配給アームを口へ運ぶ。
バランス良く料理やパンを取り、口に運ぶ。

・・・確かに、ダグラスさんやハリアさんよりも食べるペースは速い、のか?

「うふふ、私たちよりも器用に操作してるんですから、そのせいですよ」

「ムゥ…確かに、ワシはこういった操作はちょっと苦手でなぁ」


「そ、そうですよぉ、むしゃもぐ、がつがつ・・・げふっ
ダグラスさんも慣れれば、これぐらいのペースで食べれますって、モグモグ…」


ダグラスさんも、なんだかんだで相当なおデブだ。この一家の中では確かに一番痩せているが…
それでもこの肉量は、もう肥満レベルだよなぁ…(※この世界での肥満レベル)


遅れてやってきたコープと共に朝食を終える。
食器を自動洗濯装置へ移動し、マクロ設定した片付けモードを起動している間も私は最後まで食べ続けていた。
なんだか、少し物足りなかったのだ。

「ぐぷっ、ふぅ、食った食った」

やはりこの満腹感が無いと、物足りない。とはいえ、お腹は膨れていないからそれほど食べていないはずだ。
というか、ここ最近一度もお腹が膨れるまで食べたことは無いな。うん、腹八分って事で、丁度良い感じだろう。

それから暫く休憩をしたのちに学校へ出発。

試験も終わり、学校は平穏なものだった。
生徒や教師は勉強時間より食べている時間の方が長い気がしたが、きっと気のせいだ。

「あぁ、お腹空いたなぁ…むしゃむしゃ…」




私は、近頃体重は増えたとは思う。

しかしそれは環境の変化に適応していないだけだ。国どころか住んでいた惑星が違うのだ。
一気に食事量が増えたし、味わったことのない料理も多々ある。
不慣れな環境で、体型は変わったが慣れて落ち着けば自然と体型はまた昔のように戻るはずだ。

まわりのみんなは、太りすぎだとは思う。元から住み慣れた地でここまでブクブクと…全く、食い意地が張っているなぁ。
だがそれも彼らのいいところではあると思う、常に満腹だからこそ穏やかな性格だし、時間にも多少ルーズでゆったりしている。

かつていた環境はもっとピリピリとした見えない緊張感があったが…

悪い話、今では遅刻しても笑って許されることもあるのだ。というか、食いすぎで、そもそも出勤できない時が結構あったな…ううむ、そこだけは少し気を付けよう。



フラーはこの期に及んで、【自分は大丈夫】という妙な感覚に陥っていた。

この地方の料理がおいしくて、つい食が進んでしまい、これほど【体積】は増えた。

でも、自分はまだ本気で痩せようと思っていない。十分に、おいしい料理を堪能しきってから、痩せればいいと思っていたのだ。

どうせ上からの連絡は滞っているし、自分は今や長期休暇扱いだ。【教師】としての顔以外にもちゃんと【フラー教授】としてちゃんとデータは毎週送っている。
ただ、自分の姿だけは絶対に見せないし、身バレを防ぐという理由から通話も完全に遮断している。


「さぁて、今日のお昼は何にしようかなぁ〜」

どれだけご飯を食べていようが、直前に甘いものを食べていようが、関係なかった。


時間が経てば食欲は沸いた。本来なら不要なのに、とりあえず何かを口に入れたい。

無意識にサポートメカに指示を出す。お代わり、追加、新メニューの調達…

「ふうふう、ムシャムシャ…」


フラーの体は目に見えて肥え続けている。

「えぇ、それではテキストの17ページ目…もぐもぐ、ガツガツ…ぐぷぅ」


「フラー先生、もぐもぐ、ここの公式ってどうなってるんですか〜」

「ん?あぁ、ちょっと待ってね…グビグビグビ…っぷはぁ!
ええとぉ、なんだっけな…うっぷ、ちょっと、待ってくれ…」

満腹感に支配され、ぼうっとしたままの授業は酷くのんびりしたものだった。
生徒たちも呑気にお菓子をつまみながら、話を聞いている。

試験も終わったし、少しぐらいのんびりしてもいい…よな、うん。

チャイムが鳴り、私は7袋目のベジタブルチップスを食べ終える。
他にも28本のチョコレートバー、13本のホットドッグ、3kgの米粉パンを10個、ビーフナゲットを7袋、などなど…

約5万キロカロリーは摂取していた。一回の授業時間で、だ。



「ふわぁ・・・それじゃあ、今日はここまで・・・げふ」


げっぷを漏らすと同時に揺れる贅肉。とはいえ肉量が多すぎて、だぷんと揺れずに表面がわずかに波打つ程度だ。

彼ほどの重度肉塊竜になると、普通の肥満とは様々な部分で相違点がある。


たとえば、摺り足での移動。これもほとんど無理に近い。
姿勢にもよるが、自らの肉ソファに体を預け、足を浮かせている現状では100%陣術とサポートメカによる完全補助移動頼り。

歩行という行為は滅多にしないレベルに陥っていた。

移動住宅を思い浮かべて欲しい。傍目には非常にシュールな光景だが、彼らにとっては最早一般的な光景なのだ。

廊下は距離は短い癖に、横幅は異常な広さだ。そうしなければ、竜ひとりで詰まる程。






職員室まで、遠いなぁ。

「ふぅ、テレポーターでもあれば楽なんだが」

流石にそれだけの技術を求めるのは酷だろう。たかだか数百メートルの移動でも、オーバーテクノロジーに頼りたいほどの堕落ぷり。

実際、フラーはあらゆる面での生活、行動においてサポートメカと陣術に頼り切っていた。

依存しなければ、満足に生きていく事すら困難だ。 暫くしてからフラーはその事を痛いほど実感することになる。



職員室---



移動だけで数分かかるものの、授業と授業の間の休み時間は非常に長いので安心だ。
のんびりティータイム…どころか、丸々数人前(肉塊竜換算で)の料理は余裕で平らげて次の授業へと赴ける。

無論授業中も食べていたのだが、起きている間は常に何か食べていないと落ち着かない。

そして、それはフラーだけに限らず…


「フゥフゥ、もう、お腹ペコペコ、ですよ」

「ふふ、フラー先生もすっかり立派になっちゃいましたね」

先に到着していたアネイルは、フラーに比べれば控えめだが立派な肉塊竜。
平均からすればまだ中程度の肥満段階だが、足元がどうなっているか視認できない。

お互いの肉と肉が触れ合うが、サポートメカが設定している摩擦軽減によりぶにゅぶにゅ肉を押し合いながらも、自分のスペースへ到着できた。

「じゅるり…おいしそうな匂いがしますね」

「ええ、先ほど【chubby】からの出前で、メートルアグを使った新作メニューを30品ほど頼んでおいたの」

ムシャムシャと、メートルアグの茎を焦がしサラダとクレープ生地、それと1kg以上のチキンクリスプをくるんだ軽食を食べているのはダンターグ先生。

彼女はダイエット経験があるものの、すっかりリバウンドしてこの職員室の大半の空間を占めていた。



アネイル、ダンターグ、フラー、ワグナス、ロックブーケの5名がいるだけで職員室内は超密集地帯と化していた。

彼らの摂取量は今朝から通算すると、恐ろしい数字の摂取カロリーとなっている。
いくら肉塊竜とはいえ、胃袋の大きさには限度がある。にも拘らず、数十キロどころか数百キロ以上を教師陣は摂取し続けていた。

それを可能にしているのも陣術だ。胃袋の保護・強化だけでなく、摂取した莫大なカロリーを利用して、消化吸収を通常の数倍の速度でやりとりしている。

おかげで食えば食うだけぶくぶくと皆は太り続けるし、いくらでも食べることが出来たのだ。



メートルアグはあまりにも栄養価が高く、それでいながらどの料理にもマッチする食養植物だ。
肉料理と一緒に、サラダと一緒に、デザートに組み合わせても…

そして、太りやすいという一般知識を持っていながらも彼らは【ヘルシー食感覚】でそれらを食している。

「んむっ、あむ、メートルアグ添えのジャンバラヤも、なかなかいけますな、むぐむぐ」

ご満悦、といった表情でバクバク先ほどからジャンバラヤを口に頬ばるワグナス先生。
苦味のあるメートルアグの蕾部分と、全体の香辛料の辛味がうまく調和しており、どんどん食が進んでいるようだった。

「むしゃもぐ、ははは、相変わらずですねワグナス先生は。また一段と太ったんじゃないですか?」

「Σえっ?!」

自分の事を棚に置いて、頬肉を震わせながら笑う。


「確かにね〜
でもフラー先生も、ちょっと気を付けた方がいいんじゃない?」

アスターゼ草の葉を乾燥させてふりかけたパスタを食べながら、ロックブーケが指摘する。
特徴的だった大きな胸が霞むほどの肉の山。それもそのはず、彼女はもう【180tオーバー】で自身の肉で腕や尻尾が埋まりそうなほどなのだ。

それはこの職員室内で現在もっとも軽い【191t270kg】のアネイルも同様だった。


そんな彼女たちの倍近くある【430t】超えのフラーが、【300t】前後の肉風船ワグナスを馬鹿には出来ない。

ちなみに最重量は500tを超えて、現在進行形で肥え続けているダンターグだ。
ワグナスは、とっくに全盛期を超えている彼女の太り様に心配しつつも自分の事で手いっぱいだった。


この学校が、地区が、こうなってしまった全ての元凶であるナイル=フィガロはここ数週間寝たきりで、
ひたすら貪り食っては部下から集めた情報をまとめて商売を続けていた。自分がもっと楽できるように、サポートメカを更新し続けており
【660t】という異常な体重に到達してしまっている。

500tと660tでは数値上の差は少なく見えるが、超大型のクレーン車や、大型種のゾウ20頭分まるまる【余計な贅肉】をしょい込んでいるのだから恐ろしい。
もっと言えば、本来彼らは1tもあれば事足りる種族なのだ。

ゆえに、60000%増体している肥満を超越した存在と成り果てていた。




丈夫な体ゆえ、限界は訪れず。

無限に存在する料理ゆえ、食べ飽きる事は無く、

優れた技術を全て【食】と【怠惰な暮らし】へ割り振った結果が…

これである。
職員室内はすでにギュウギュウで、ギシギシと床や壁が不穏な音で警告していたが彼らは次の休憩時間も、その次の休憩時間も気にせず飲み食いをし続けた。


「ぐふぅーーー・・・ぐふぅーーーー・・・う、うごげ、ない」


何が起きたのか、フラーは状況がつかめずにいた。

同様に、職員室内にいるアネイル、ダンターグ、ワグナス、ロックブーケも同様だった。

確か、今日の授業を終えて、明日の準備をするため、全員で職員室で作業していたんだった。

妙に狭く感じる、室内で。

私たちは食べたりない、と追加の出前やフードコートからの出張サービス、バイキングをしながら全てをサポートメカに任せっきりで、
明日の授業内容や今後の日程について、まとめていた。

何十人前を食べ繰り返していただろう。そして、慣れ過ぎていた。お互いの肉体が完全に密着しているその現状に。

どんどん互いの肉と肉が重なり合い、食い込み、一切の身動きが取れなくなっても。

サポートメカが毎回解決してくれた。だが、溢れ、盛り上がる全員の肉はとめどなく

職員室内を埋め尽くし…外壁や天井に挟まれたサポートメカを、とうとう、自分たちの肉で破壊してしまったのだ。




フラー「ぐぶっ・・・ぅ゛う゛ーな、な、に、がおぎ、ぶふぅうう・・・・ぐひゅーーー・・・」


掠れて、くぐもった声。私はこんな変な声をしていただろうか?

こ、呼吸がうまくできない。発声すら、つきすぎた肉が邪魔をして妨害される。
息が苦しい、何より、体が、重い。


フラー「はぁ、が、ぁ…ハヒュッ、み、みなざ、だいじょ、でず・・・が」

アネイル「わだっ、わだじ、は、へいぎ、でず・・・!」


体全体に付与されていた陣術のサポートも同時に消え、凄まじい負荷が全身を襲う。

重い、重い、あまりにも重い…
午後の憂鬱な気だるさを20倍増しにしたかのような。

一応、職員室内と壊れたサポートメカの中核から自動で発現する陣術によって、緊急時の肉海竜保護プログラムが作動している。

そうでなければ、こうやって会話する事さえ怪しいものだ。


ダンターグ「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・あ、、あつ、い」


空調も壊れてしまったのだろうか。あらゆる外壁に誰かの肉が密着しており、室内はサウナのようになってしまっていた。

代謝がよくなっている影響もあるだろう、体は熱く、更に息苦しさでもがく呼吸で熱気がどんどん上昇し続ける。

互いの肉が覆いかぶさり合い、身動きが取れない…
もとい、元から自重だけで満足に身動きは取れないのだ。

同様の体型の重度肉塊竜でも、フィードロット市周辺の個体ならまだ活動できていただろう。
だが、彼らは術に、機器に頼りすぎていた。

怪我人が不意に松葉杖や車いすを取られたかのように、彼らは一切のなすすべが無くなってしまったのだ。


ワグナス「うっ、ぶ、ふぅっ、ぐっ、ぁ、っふぅ・・・!!!」

ロックブーケ「ど、どじ、まじ、だ…ワグ、せん、せ?」

ただひとり、球体デブとして、しかしながらみっちりと詰まっていたワグナスが室内の温度の影響とは別の冷や汗をかきながら
小刻みに震えつづけていた。まるで、何かを必死に我慢するかのように。

ワグナス「ハッ、ハァッ、ハァッ!!おなか、がっ、おさえ、きれっ、はちきれて、しまい、そっ、で」

ハフハフと何倍も速い呼吸を繰り返しながら、先ほどよりもつらい声をあげて仰け反るように目をつむり顔をあげる。

そして、その直後…

ぶちぃ! っと、最後に彼の形姿を留めていた物理拘束具の腹ベルトが引きちぎれ…
様々な付与、体型維持に踏ん張っていた筋力、その他もろもろがとうとう根を上げてしまい…


【ぶくぅうっ!!!ぶよぉっ!!!!だぷぅうんっ、ぶよぉっ!!!】

丸々として張りつめていた彼の体は、堰を切ったダムのようにだらしなく、みっともなく肉が内側から溢れ…
フラークラスのてんこ盛り肉塊竜に成り果ててしまった。

サポートメカも、陣術も無しに、あれほどのアスターゼ草とメートルアグの料理を繰り返し摂取していれば誰でもこうなる。

だが、これで状況は悪化した。
ワグナスのいた位置はまだかろうじて動ける空間があったのに、
今では誰もが一切の身動きが取れず、互いの肉同士が妨害し、せめぎ合い、居場所を求めておしあう悲惨な状況になっている。

フラー「ぁ゛あ…はぁっ、はぁ、あれ、がら、どれぐらい、だっだん、だ…?」


職員室は頑丈に作られており、彼らの肉量をもってしても外壁や天井はギリギリ耐えていた。
ビシビシと亀裂が走り、現在の状況もわかっているだろうが、外からの助けはまだこない。

というか苦しさで時間の感覚がマヒしていたが、実はまだ30分も経っていなかった。

ちょっとの息苦しさでももう、彼らは我慢できない程に《楽すぎる》生活を続けていたのだから。




「こ、これはいったい何ごとですか!」

職員室の外から、クジンシー教頭の声がする。
良かった、彼まで室内にいたら更に発見が遅れていただろう。

フラー「くじ、しー・・・きょう、と・・・だず、げ」


誰かの肉しか見えない視界。何もしてないのに彼らは疲労感でいっぱいだった。

立つどころか座ってすらいない、自重を支える…というか、支えてすらいないが、ただそこに居るだけで、【もう疲れる】という究極デブになっていたのだ。





救出は、簡単だった。
というか既に限界を迎えていた職員室は勝手に内側から瓦解し、彼らに新たなサポートメカを付与して、それでもう解決。

たった1時間ほどの苦しい時間だったが、

それでも彼らに自重の、【自分たちの太り具合】を再認識するいい機会になるのだった。


めでたしめでたし…

と、普通ならなるのだろう。

しかし、彼らは【誰一人として】反省していなかった。



ロックブーケ「はぁー、それにしても、この間は大変でしたよね〜ムシャムシャ」

ワグナス「いや、まったく、もぐもぐ…とはいえ、これから長期休暇がありますし、試験も終えた後でよかったよかった」

アネイル「そうだ、ロックブーケ先生、今度の休みに、新しい水着、買いに行きませんか」

フラー「アネイル先生と、ロックブーケ先生の水着姿…ですか…(ドキドキ)」


果たして彼女たちに合う水着というのは何なのだろうか、少なくとも数メートルもの巨大な布にプリントがなされた【水着のような何か】であろう。





教師も、生徒も、学校から解放される、長期休暇が訪れようとしていた。

そしてもうすぐ、海開きが待っている。





超密集海水浴場へ続く?

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