超密集地帯
30、〜アネイルと特殊嗜好者たち〜
〜慣れと麻痺〜
アネイル=カンバーランドが太り続ける、という状況は
周囲にとって珍しくない事になっていた。
そして彼女自身にとっても……。
体重が100万tに到達しても、その体型を維持するばかりか
増量が繰り返される日々が続く。
複数のサポートメカが彼女の生活を支えるが、流石に快適な暮らしとは程遠い。
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アネイルや、ナイルといった規格外の肉塊竜の補助を完全に担うには
機械や術だけでは足りなくなっていたのだ。
そこで開発されたのが”フレーム”と呼ばれる枠組み。
自身の肉に埋もれる彼女たちの贅肉を、物理的に支え、
呼吸や食事、またデバイスの操作を阻害する肉ひだを抑える役目を果たすもの。
これが予想以上に快適な生活サイクルへと変えてくれた。
”フレーム”の利便性はたちまち口コミで広がり、
多くの超重度肉塊竜達が愛用し、 フレームのデザインや色、オシャレの一部として浸透するほどだった。
フレーム自体は肉に食い込むのは、食い込むのだが
首輪や装飾品のように”しめ付ける”感覚は無いのが人気の理由の一つだ。
肥満竜専用に開発されただけあり、一定の形状を保ちつつ 肌に負担がかからない特殊な材質で出来ている。
おとなだけでなく、学生や子供たちの間でも広く普及し
それは同時に、体重増加が打ち止めだった者達を更に肥大化させる原因にもなっていった。
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コープやリガウといった、おとなに匹敵する彼らの体重も それに伴って上昇し続けていた。
数百トン、数千トン増えていくのがまるで当然のように……
風邪で体調を崩したり、食事内容での増減こそあったが、
1週間、1か月の区間で見れば誰もが確実に太り続けている。
”肉極竜(重度肉塊竜)”の中では小食のレナスでさえ、フレーム採用以降、1万t更に余分に太ってしまった。
食事内容だけでなく、 快適に過ごせる ただそれだけで 彼らの、彼女たちの限界は簡単に突破してしまったのだ。
レナス「ふぅ、はぁ、ふぅ、ひぃ、それにしても、このフレーム付けてから、だいぶ、食事が楽になりましたね」
TV電話で会話をしながら、しっかり相手の顔を見れるのは嬉しいことだ。
前まではサポートメカの補助があっても、自分の肉で埋もれて、まともに見れなかったから。
それでもコープは次から次へと運ばれるデーツピザや、メートルアグの実を使ったサンドイッチを吸い込むように食べ続け
結局顔はほとんど見えないが。
コープ「はぐ、あむっ、ぐっぷ。ほんとだよねー、すっごい呼吸が楽になったし、喋りやすくなったし」
もっとも、術や機械、装飾品の補助をなくせば 今の彼らは一言も満足に発することすらできない 異常な程の肥満だが
太りきる前(並の肉塊竜)と同等の快適さのせいか、自覚が全くない。
リガウはこれでもっと太れると喜んでサポートメカの設定をいじり、配給量を増やしているそうだ。
彼らが太っている、ということは漏れなくオーエンも1万t以上の増量を果たしている。
感覚もすっかり鈍くなり、 移動して建物が体の一部を擦っても その刺激がどのタイミングで、どのあたりで発生したのかまともに把握できていない。
誰かが、誰か他の肉塊竜の”一部”にのしかかっても
それは今この国では当然のことで、誰も 気にも留めていなかった。
自分の肉量すら持て余しており、
サポートメカの存在が無ければ”腕や脚を動かす”
この最低限の動作すら不可能なのだから……
ほとんどが住居の為の”家”ではなく個人用P,H(パーソナルハウス)へと変遷しており
住所の概念も曖昧になっていた。
特にアネイルの”支配面積”というか、体積は相当なものであり
そんな彼女の食事を補うための移動式専用食糧庫(大型自走式トレーラーや小型飛空艇)は、数が増え続けていた。
今では彼女は《あまりにも》太っているせいか、補助金も出ている。
同じような境遇のナイルからの支援金もあり、 そのおかげ……というより、そのせいで 余計に太るという悪循環でもあったのだが。
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アネイル「ハァ、ハァ……んぐ、もぐ、むぐ……」
どれだけの量を食べても、質の良いものを食べても、心の底から満足することがない。
かといって、餓えているわけではない。アネイルは、ほぼ”惰性で”食事を繰り返していた…
体重はさらに十数万tは増え、それでも、増加は収まらない
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アネイルのような、“非常識”なレベル……すなわち、個人ではどうしようもない肥満・肉塊の段階では、複数の介護士や、支援募金が珍しくなくなっていた。
あらゆる行動阻害は、当たり前。とはいえ、ツールや陣術のおかげで本当の意味での“辛さ”はなく、(それもまた体重が増え続ける要因だが)
濃厚なチョコレートプレッツェルや、堅焼きのアーモンドクッキー(デーツ入り)などを片手に(実際の手は握れないので待機ドローンの比喩だ)ブクブク太り続けていた。
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〜あるジャーナリストの手記〜
私が彼女…アネイル=カンバーランドについて調べ始めたのは、興味があったからだ。
本島で最も太った彼女は、いかにしてアズライト諸島で一番の肥満女性になったのか…。
種族はデコイ、レイヴン桃竜β種。 出身地はレイヴン諸島のシングレイ島ポルトシータ。竜学アズライト支部で教師をしている。
種族柄、太りやすい体質というわけではない。
プロフィールを確認する限りでは甘いものに目がないようだが、栄養バランスよく食べ、起床や就寝時間にも乱れはない。
どこにでもいるような、”普通”の女性のはずだ。しかし、彼女はかの大商人ナイル=フィガロをも越える超重量の肉体の持ち主となっている。
ほどほどに嗜好品を食べ、ほどほどにダイエットに”成功”し、普通にリバウンドも経験している。
ナイル氏の場合は、違う。自分の好物を、好きなだけ、飲み食いし、時折、ドクターストップほどまでいかないが、体が追いつかず”ダウン”する。
その時にも彼女はじわじわと、確実に太り続け、その差を詰め…追い越した。
体重は、専用の格子状レーザースキャンで質量計算をしたところ、数百万tとも言われている。
自身の肉で陽の光を浴びれなくなった、なんてエピソードはなかなか聞ける内容ではない。
そんな状態でも、他の竜と同じ生活ができるよう 様々な装置や機器、介護員がついている。
彼女の性格や、食生活が問題なければ、職場や環境が関係しているのだろうか?
私は彼女の関係者……おもに学校の教員や生徒、友人関係を調べてみたが、驚くべきことに のきなみほぼ全員が平均体重を大きく上回っている事を知った。
同僚の教師や、教頭…… また相撲部の顧問ともなると、話題にならないのがおかしいぐらい太っていた。
話題にならないのは、”それ以上に”彼女が太っているせいだろう。
生徒もオトナ顔負けの子達が多い事にも驚いた。
打ち込み作業の多く、太った私が言うのもなんだが、あの若さであれほどのサポーターを身に着け、設定を重度肉塊にしているのは……将来が少し心配だ。
とはいえ、重度肥満(−−−この世界の住民にとって肉塊は”肥満”の意識―――) といって、悲観する必要もない。
納税していれば様々な補助が出るし、そもそも”肥満”に関しては全員が他人事ではないのだ。助け合いの精神によって、うまくなりたっている。
食べ物についてはどうだろうか。
メートルアグやアスターゼ草が肥満の要因になる事は周知の事実だが、最近流行りのデーツピザも、一役買っているのだろう。
彼女はその山のような巨体を維持する為、専用の生産・運搬ラインが確立されている。
腹八分目という言葉が意味をなさないぐらい、日がな一日食べ続けている。だが、ガッツくというよりは、授業中や、身内との通話中など、”ながら食べ”が多いらしい。
彼女にとっての食事とは、呼吸と同義なのかもしれない。食べていることが当たり前……太るのも無理はないだろう。
取材や調査を開始してから、周辺情報をまとめている間も、彼女は体重を更新し続けている。停滞を知らない彼女はいったいどこまで肥え太るのか……
この記事意外にも、私個人としてもその行く末が気になるところだ。
とある手記 終
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〜生徒達の現在〜
通信授業や、ヴァーチャル空間内での模擬スポーツが当然のようになり、生徒たちの体重は 当時のオトナ達の学生時代に比べ何倍にも重くなった。
今のペースで太り続ければ、間違いなく現在の平均体重は上がり続けるだろう。
コープやリガウ達も、それぞれ300万t、250万tに太り、パーソナルハウスも何度改修したか。
だが、”肥満である”事が全国民に該当するこの世界では その手当や費用は考えなくていいレベルだった。
”衣食住問題”が問題にならない。全員が問題を抱えているから、それを解決するのが当然になっているのだ。
「ねーリガウーーー、何か新しいメニューとかないかな〜」
「んーー……どのページも食い尽くしちまったしなーー」
通話しながら newと表示されるデリバリー食品の一覧を見るが、昨日も50品近く食べきってしまった。
仕方ないか、とばかりにリガウは履歴から特においしかった料理を30品注文する。
…その1品が、普通の惑星の竜が一日かけても食べきれない代物にもかかわらず(圧縮食材を応用しているため)
それでも今のリガウにとっては腹八分目にも満たない。
そんな生徒達ですら、オトナ……特に重度肉塊の教師陣にはまだ遠く及ばないのが現状だ。
言い換えれば、
普段の食事にアルコール類もくわわり、酔いで”たが”が外れてしまうオトナ達は
それこそ並外れた量を注文してしまう。
間違って、100品近い料理を頼みフラーやワグナスがはち切れんばかりに(見た目は肉塊の山だが)苦しんだ経験もある。
ワグナスは推定420万t、フラーは510万t。ダンターグに至っては780万tと、
それこそ集合すれば教師の”山脈”だ。肉と肉が重なり合い、足元は完全に彼らの余分な肉で埋め尽くされる。
2匹同じ空間にいるだけで”もうそこは肉の密集地帯”だ。
……ちなみに、デーツピザという莫大なカロリーの暴力の虜になったクジンシーは、やめられず太り続け…… まさかのダンターグを超えてしまう事態になっていたが、本人は黙っている。短期間で太ったせいで特に胴体の肉が多く、背中や足元?がダンターグより肉ひだが少なく見える(見えるだけ)のをいいことに、バレてないと思っている。
ちなみに、880万tある。
そして、アネイルは……
そもそも他の教師たちが2桁万tの時に3桁に突入していたのだ。 収まることなく順調に右肩上がりの彼女は……
”1830万t”
並の大型施設をひとりで超える、傍目には彼女をアネイルと識別するのに躊躇する大きさになっていた。
太っているのは当然ながら、そこまでくると周囲より頭一つ抜きんでて”大きさ”もある。
その大きさゆえに、あ、アネイル先生だ。と周りが顔は確認できないが彼女だと確認できる……
そんな状態だった。
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〜アネイルと特殊嗜好者たち〜
アネイルは、よくも悪くも、目立つ存在だ。物理的に大きくて、存在感があるのもそうだが……
“諸島で一番太った女性”という点もある。
地元メディアでも取り上げられたし、元からの美人巨乳教師としても知名度は高い。
そんな彼女を、『太っているからこそ』好きな竜たちは実際多かった。
自分たちの何倍も脂肪を溜め込み、肥満しているのに、アネイルは、髪も艶やかで、赤子のような潤いあるもち肌。
綺麗好きでクリーナーメカを常駐させ、食べかすが少なく、清潔感も人気のひとつだ。
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「あれだけ太ってるのに凄いなぁ」「私も太っちゃうなら、あんな感じがいいな」
「彼女は魅力的だよ、むしろもっと太っていいぐらいさ」
感心や興味から、または心から”もっと太って欲しい” そう思う竜もいるのだ。
無論、アネイルは自分にそんなファンたちがいるとはつゆ知らず、 支援物資を喜んで食べ続け、今なお ゆっくりとだが 確実に太り続けている。
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《メッセージを受信しました:支援物資の追加を確認しました。**地方の特産品30種、**産のフルーツギフトセットを、専用倉庫へ運搬しました》
「今度は誰かしら……? 嬉しいなぁ」
アネイルもまた好意は素直に受け取るタイプなので、貰った食材をその日の”運搬リスト”と”調理リスト”にデバイスで振り分け早速頂くことにする。
すぐさま圧縮調理された(数十万キロカロリー)のフルーツポンチや、パフェが運ばれる。
「ん〜〜おいし〜〜〜」
実際に口に入れた量以上に、食べた量が多い。そのためアネイルの体は早送りして確認すると、即座に……とまではいかないが、ぶくりぶくりと肥えていく。
その様子を、肥育支援者たちは、ドローンで撮影した動画で確認し、喜んでいた。
アンダーグラウンドの掲示板には、その感想も書き込まれていく。
*す、すげーなぁ……あの量を、あのペースで食べて
*私が送ったマンゴーやオレンジも喜んでくれてたみたい。嬉しいな。
*噂じゃもうとっくにナイル氏とか超えてるんだよな
そんな中、彼女への”支援物資”として特に好まれているのが アスターゼ草の成分を濃縮還元・添加した特性野菜ジュースだ。
胃腸薬代わりに飲む者も多いのだが、当然 食欲増進・肥満促進につながる代物だ。
実際に消化の助けとして飲むより、ウェイトゲイナー代わりに飲む者の方が多い。
その”特性ジュース”の10ガロンサイズは、ほぼ毎日のようにアネイルに送られていた。
彼女も、アスターゼ草の効力や副作用は知っていたが、
いつも食べ過ぎて苦しい時に飲んだ後はスッキリするし、そこまで影響はないだろうと気にせず飲んでいた。……のだが、当然体に影響はある。
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「なんだか、また小腹が空いてきちゃったなぁ……」
食いしん坊な自分を改めて認識し、ちょっと気恥しさを覚えるが……空腹には勝てない。
アネイルは例のごとくデーツピザ、メートルアグのスープを中心とした”超カロリー食(の圧縮調理版)”をサポーターに運ぶよう設定し、ヘルパーさん達にもその旨を伝えた。
「そうだわ、来週の小テストも考えておかないと……」
考え事をするには、やっぱり糖分が必要だ。
とばかりに、彼女は顔面の空中に表示されたウィンドウを視線だけで操作する。
一応、手元にも操作専用パネルはあるが、それも指を動かすのが大変で億劫になり始めていた。
すぐさま、周辺のケーキショップの在庫確認をし ありったけの商品を注文していく。
注文数は、100個や200個ではきかない。
*アネイル氏、更に追加のスイーツフェスティバル開始
*待ってました
*アネイル山(さん)、更に標高を高める模様
食事中、ズゴゴゴ…と、蠢(うごめ)く巨大な肉塊。
たったひとりの”個竜”にもかかわらず、彼女の足元の肉塊竜達はその肉の波にどかされたり、押し出されたりと大変だ……が、ぶよぶよに柔らかい身体なので痛くはない。
小さな肉塊竜(矛盾した話だが)なんかは、よく潰されることもあるが サポートメカがすぐさま確認し、救出作業をするのでそれも問題はない。
そんな数々のエピソードを見聞きし、肥満嗜好者達は自分も巻き込まれたいなんて願望を思いながらも、今日も彼女にありったけの高カロリー食や、太りやすくなるウェイトゲイナーの効果が高い食料品を支援するのだった……
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〜2000万t〜
アネイル先生、噂じゃもう2000万tの大台らしいよ。
生徒達がそんな話をしても、「へー、すごい体重だね〜」ぐらいで終わってしまう。
彼女なら、もうそれだけ太ってしまっても、不思議ではない……そんな認識が生徒たちの間でも、
それどころか教師同士の間でも、薄々と感じられていた。
そもそも他者の体型をどうこう言える体重じゃないのは、皆も同じなのだ。
あの巨漢で有名なナイル氏を超えた時点で、”彼女が太り続けるのは常識”であり 巨大な肉の山が、また標高を高めていく光景は
見慣れた日常にすらなっていたのかもしれない。
様々な超カロリー食。
慢性的な摂取。
リバウンドを繰り返し、肥えやすい体質……
甘いものも、脂っこいものも好きで、 かといってナイル達のように無理やり詰め込まないゆえに、途中で”ダウン”せず
ずっと、ずーーーっと食べ続け、《確実に太り続ける》
2000万tという 異常に思える肥満状態でも 彼女にとっては数字のゼロが多いだけで 前と大差ないとすら思っていた。
実際はそんなことがなく、様々な科学、陣術、そして古代のアーティファクト応用技術すら用いて彼女の生活は成り立っている。
その全てがオフラインになったなら、 アネイルは食事はおろか 会話も、あらゆるコミュニケーションも不能になるだろう。
……実際、負荷が高まり過ぎ 何度かオーバーフローを起こしたこともある。
そのたびに周囲が彼女を”助け”事なきを得ている。
自身の肉の海に溺れては、救助マシンが呼吸経路を確保したり、食料運搬の為に彼女の顔の周辺にスペースが出来るよう助ける。
あらゆるサポートが必要な、”要介護にもほどがある太り具合” それが今の彼女なのだ。
ピピピ、ピピピ、と聞きなれた警告音が聞こえる。
摂取量オーバー。過度な体重増加に、対応する機器が悲鳴を上げる。
専用の大型体型補助ベルト(普通のベルトとは違い、工場や施設に使うような業務用レベルだ)も何度駄目にしたことか
《繰り返します、一度休憩を挟むことを推奨します。繰り返し…》
「え、えぇ?もう、そんなに、食べたっけなぁ、はぁ、ふぅ、んっ、あ゛、 だ め、補助が、
どんどん は、 ぁ、 んっ ふぅ 足り゛な゛ぐ……」
のしかかっていく。自重が、全身に。
この星が、無重力惑星ならよかったのにと思う瞬間だ。
ズズズ、ズゴゴゴ、と足元の様々な周辺サポート機器が潰されたり、倒壊する音が聞こえる。
超重度肉塊保険適用案件なので、問題ないけど……やはり、気持ち的に罪悪感は生まれる。
「(また、いろいろ壊しちゃう、なぁ)んっ……ぁ……ふっ……く、ぅ……」
最低限の生命維持プログラムは、動き続けるが、何度も水泳で息継ぎをするような、息苦しさは覚える。
でも……やっぱりおいしいものは、食べたい。 食べ続けたい。
新たな肉塊サポートが充実するまでの間、ちょっとだけダイエットすることはあるが
少し減っては戻る為、右上がりの体重グラフが落ちる事はなかった。
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