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フラー教授のゆううつ

1、新任教師フラー

私にとって、これはあくまで非常手段に過ぎない。なぜならば、私の任務は本来、誰の目にも触れてはならない極秘のものだからだ。
地域の住民には一切悟られることなく、捜し求めるべきものを速やかに発見する。
とはいえ、あまり冷たい態度を取るのも考え物だろう。一度怪しまれれば、誰ともなしに私のことを気にしだすに決まっている。
ここは一つ、地域の住民になりきることに勤めよう。まずは、そうだな。さりげない笑顔で第一印象を良くするとしようか。
大きく深呼吸すると、私は目の前に立ちふさがった木のドアを押し開いた。
マージベーカリーという名が刻まれた看板にくくられたベルが、大きな音を立てた。
「いらっしゃい!」
店の奥から威勢の良い呼び声、そして焼きたてのパンの匂いが鼻を通り、体中にしみていくようだ。
私の腹の虫も、途端にぐうぐう言い出した。
「あ、ダグラス・マージと言うのは、あなたかな?」
「はいよ。ダグラスはワシだけど、あんたは?」
そう言って頷いた店主は、パン屋らしく白い調理服に身を包んだ青色の竜族だ。その体型はかなり丸い。
「私はカルボナール・フラーと言うのだが……」
「ああ、話はうちのカミさんから聞いてるよ。遠いところからご苦労だったな。おい、ハリア! お客さんだぞ!」
呼び声に答えて奥から出てきたのは丸々太った紫竜だ。ダンナさんよりも奥さんの方が太っているのは、おそらく彼女がベクタの竜の血を引いているからだろう。
「あらあら、あなたがフラーさんね。お話は聞いてるわ。さ、奥へどうぞ」
窮屈そうに丸い体が奥に引っ込んでいく。私は内心ほっとため息をついた。何しろ奥さんの体は、どう見ても店内には入り込めそうも無い。下手をすれば棚や籠を残らずひっくり返してしまうだろう。
そういえば、この店に来ている竜達も、かなりふくよかな、悪く言えばブクブクと太った者が多い。
私といえば、多少痩せ気味だが均整の取れた白い体をしている。緑のチュニックを着た、すっきりとした姿だ。
少しばかり優越感を覚えつつ、私はパンに群がる彼らの間をすり抜け店の奥へと入った。
「それにしても、フラー島ってどの辺りにあるんです?」
「フラー島は、ここアズライトから北西にかなり行った小さな島国。
 規模からしても、相当に小さく、文明らしいものもほとんど無い状況でしてな」
巨大なやかんでお湯を沸かしながら、奥さんは私の作り話に耳を傾ける。確かにフラー島という島は存在するし、文明程度が低いのも調査済みだが、私の出身は『そこ』ではない。
「それで今回、私が島民を代表しまして、アズライトの教育を学びに来たと言うわけです」
「でも、アズライトだって、そんなに発展しているわけじゃないのに……」
「いや、急激に高いものを導入したところで身に付くのはほんのわずか。なるべく文化レベルが近いエリアに学ぶのが、長期的には
 良いのでね」
どうやら、私の言葉をあまり理解しなかったらしい。紫竜は首を傾げながら、やかんのお湯をティーポットに注ぎ、お茶を出してくれた。
「さ、冷めないうちにどうぞ。お茶菓子もありますから」
「……あ、いや……どうも……」
大抵のものは見て驚かないつもりの私だったが、聞くのと実際に見るのでは大違いと言うことを改めて思い知らされた。
そのままマズルが埋まってしまいそうなティーカップと、私の手の平ほどもありそうなクッキーたちが、菓子かごの中に並んでいる。
このドラゴルーナの竜達は、かなりの肥満体型が多い。その理由がこの、何でも巨大に作ってしまう性質に理由があるのだという。
もちろん、すべての家庭がそうと言うわけではないが、肥満竜が多いベクタ大陸では、これをはるかに越える大きさの品が溢れて
いるらしい。
奥さんは私のことを見て、にこにこと笑っている。この場はとにかく飲み食いをして、いらない疑いを掛けられないようにせねば。
「んっ? ぐっ、うっ、うんうんっ、くはぁっ」
お湯の温度はそれほど高くなかったので、思わず一気に飲み干す。意外なことに、中に入っていたお茶は驚くほどうまいものだった。
「あら、もう飲んじゃったのね。お代わりどうぞ」
「え!? あ、いや、その……」
笑顔でお茶の二杯目が注がれる。私は仕方なく、そのものすごい量のお茶を飲み干すことにした。
ただし、今度はゆっくりと、味わうようにして飲んでいく。
「ただいま〜」
のんびり間延びしたような声が店のほうから届いてくる。重そうな足音を立てながら入ってきたのは、奥さん似のまるまる太った紫竜
だった。
「コープ、帰ってきたら先に手を洗いなさい」
「は〜い」
どうやら仔竜らしいが、体型はかなり立派なものだ。首に捲いた赤いベルトが窮屈そうに締まっていて、あと少し太ったら息ができなくなるんじゃないかと思った。
店から失敬してきたらしいパンをほおばりながら、彼は私の方に目を向けた。
「息子のコープです。この前話したでしょ、この方が先生の勉強に来た竜よ」
「あ、そっか。こんにちは、先生」
「ああ。こんにちは」
先生という呼び名に、ちょっとむずがゆい思いをしたが、これからしばらくここでは私は先生という役割を演じる。
活動時間は制限されるが、目的の物がどこにあるかは見当もつかないのだ。むしろ、地域の住民から情報の仕入れやすい教師と言う
立場は……
「先生はいつから学校に来るの?」
「ん!? あ、ああ、明日には出勤して、みんなに挨拶することになるだろう。しばらく、この家に厄介になる。よろしくな、コープ君」
「うん」
コープ君はにこにこ笑って頷いた。素直で、なつっこい性格のようだ。パンをかじりながら返事をする行儀の悪さはどうかと思うが、地域住民の文化には不干渉と言うのが原則だ。
「さて、それでは、私の部屋はどこかな……」
「コープ、案内してあげて」
「は〜い」
重そうな体を揺すって歩くコープの背中は母竜そっくりに見えた。廊下を歩き、一階の奥まった部屋の前で立ち止まる。
「僕の部屋は三階だから、先生のはそこね」
「ありがとう」
「そういえば、今日はごちそうだよ! 先生が家に来たお祝いするんだ!」
嬉しそうに笑うコープに何とか愛想笑いを返す。彼と別れて部屋の中に入ると、私はちょっとため息をついた。
お茶だけであんな分量を出す家のご馳走とは、一体どんなものなんだろう。
大量の水分で、がぼがぼになった腹をさすって、私はもう一度ため息をついた。


次の日、私は朝早く目が覚めた。と言うよりは、眠れなかったのだ。
何しろ奥さんは、とにかく凄い量の料理を出してきた。
食堂のテーブルに並べきれないほどの料理、これはもう、王様や貴族の食堂にでも並べるべき、いや、少なくともまともな竜が食べる分量ではなかった。
もちろん私は山のように食べさせられ、気持悪くなるほどの満腹感で一晩中起きているしかなかった。
「お……おはよう……」
「あら、おはようございます。昨日は良く眠れました?」
笑顔で話しかけてくるハリアさんに、私は何とか笑顔を返した。食卓の上では、すでに新しい料理がところせましと並んで……うぷっ。
「あ〜、大変申し訳ないのだが、実は今日、少々用事があるのだ。学校の方で打ち合わせがあるのでね。
 朝食は、遠慮させていただきたい」
「あら! それならちょっと待って!」
私の申し出に気を悪くした様子もなく、奥さんは紫色の大きな体を揺すって、食卓の上のポテトサラダやベーコンエッグを四枚切りのパンで挟んで、即席のサンドイッチを作り上げた。
「それじゃ、これお弁当にして」
「え! あ、いや、その……」
「朝ごはんは、ちゃんと食べないと体に悪いですから」
もちろん分かっている。奥さんにはは何の悪気も無いのだ。にこにこして、私に地獄のような分量のそれを手渡してくる。
「で、では……行ってきます……」
「いってらっしゃーい」
大きなランチョンマットに包まれたそれを鞄の中に収めると、私は何とかその場を逃げ出すことに成功した。
「コープにお昼ご飯、持たせますからねー!」
……奥さんは、もしかしたら私に恨みでもあるのかもしれない。


道端を行く者に聞くまでもなく、アズライトの竜学校にはたやすくたどり着くことができた。大通りののずっと奥に、かなりの大きさの建物があることと、学校らしい外観が、何よりの目印になってくれていたからだ。
この辺りでは、一応学年ごとでクラス分けを行ってはいるようだ。しかし、入学適齢期に達したものを一括で入れるシステムではなく、入学希望者は年齢に関わらず一年生のクラスから始める仕組みらしい。
まぁ、いくら教育制度があるとはいえ、文化レベルは衛星全体としては明らかに低いし、その方が合理的なのだろう。
私が校舎に入っていくと、校庭に黒くて大きな塊がうごめいているのが見えた。それが竜族だと気がつくのに、少し時間が掛かった。
「あなたは、どちら様かな?」
私の方を不審そうに見つめてくる竜に向かって、私は丁寧に名乗った。
「挨拶させていただこう。私はこのたび、このアズライトの竜学校に教育実習のためにやってきた教師、名はカルボナール・フラー」
「あなたがフラー先生ですか、話は聞いています。私はワグナス・アバロン、体育全般を教えているものです」
思わず噴出しそうになるのを何とかこらえる。どう見てもこの竜は、体育教師と言う柄では無い。確かに筋肉質で力は強そうだが、突き出た腹が大きくて、走るよりは転がった方が早いだろう。
「……ところで、ワグナス先生、学校長は出勤されておられますかな?」
「ええ。と言うより、学校長はここにお住まいですよ。今頃は校長室に」
「ありがとう。行って挨拶してくるとしよう。では、失礼」
向こうもこちらに挨拶を返すと、手にしたほうきで校庭の掃き掃除に戻っていく。しかし本当に、太った竜が多い土地だと感心する。
「遠いところを、はるばるご苦労様でした」
逢うなり、学校長は笑顔で私を招き入れてくれた。年は分からないが、少なくともハリアさんと年齢は違いないはずだ。
彼女の名前はエルトワ・トリズモンド、フラー島からの要請(もちろん、私がでっちあげたものなのだが)で、よりによってマージベーカリーを下宿場所に選んでくれた張本竜だ。
たしか、ハリアさんと同じベクタ出身だそうだが、彼女は意外にもあまり太っておらず、きちんとした礼服を身に付けていた。
「早速ですがフラー先生、今日から子供たちの授業を受け持っていただきます」
「はい。で、私は何を教えれば?」
「この竜学校も、次第にあちこちの島からの生徒を受け入れるようになって、先生の数が足りなくなってきています。
 今日のところはアネイル先生の補佐と言うことで、明日からあなたの得意分野を担当してもらうことにしましょう」
校長の申し出に、私はしばらく考えた。得意分野、と言っても、私はここよりもはるかに高いレベルの学校でしか教えたことがない。
しかもその時は「先生」ではなく「教授」と呼ばれていたのだ。
「数学……いや、算数などがおおむね得意ですな。後は高分子構造学……もとい、科学、理科方面を少々」
「分かりました。それでは、授業にはまだ時間がありますから、お茶でもいかがですか?」
どこからともなく取り出された巨大なポットと菓子の籠、私は彼女がハリアさんと同属だと言うことを、ようやく信じる気になった。
「い、いただきます……」


やがて、学校に生徒達が集まり、私は同僚のアネイルという女竜教師と共に教室に向かうことになった。
「ところで、フラー先生のご出身の島って、どんなところなんですか?」
「自然が豊かなところ、といえば聞こえは良いが、要は田舎ですな。ここと比べれば何も無いに等しい」
私の言葉に、彼女は眉をひそめた。
「ご自分のふるさとをそんな風に言うのは、あまり良いことではないと思いますよ?」
「いや、これは失敬。以後気をつけることにしましょう」
さりげなく謝って、私は彼女の姿をもう一度確認する。全く、その体は見事としか言いようがない。
というか、実に私の視線を釘付けに……いやいや。
緩みそうになった目元を元通りにすると、私は彼女に従って、一つの教室の前に立った。
「みなさーん、おはようございまーす!」
元気良く挨拶をする彼女に、教室の生徒達も大きな声で返事をしてくる。うむ、実に良い返事だ。
ついで、私が入っていくと、教室はシーンと静まり返ってしまった。なんだか、ちょっと気分が悪い気がするのは気のせいだろうか?
「はい皆さん、今日は新しい先生を紹介します。これから皆さんに色々教えてくれる、カルボナール・フラー先生でーす」
アネイル先生のかわいらしい声で紹介されると、柄にもなく緊張してしまう。私は場所を空けてもらった教壇に立ち、生徒達を見回した。
教室の後ろ、窓際の席に見たことのある紫の塊が座っている。アレはコープ君だ。その隣で、場所をはげしく占拠している緑色の竜は、彼と同じかそれ以上の肥満竜だ。
それはともかく、生徒達は私に注目し、全く視線を外さない。うう、なんだかみぞおちが痛くなってきたぞ。
「あー、その、私は、今紹介されたフラーと言うものだ。と、とにかく、よろしく頼む」
生徒達からはまばらな拍手、あまり受けないようだが仕方ない。大体、私はこういう雰囲気は苦手なのだ。
「あ、先生!」
「ん? どうしたの、コープ君?」
手をパタパタ振って発言をしたコープ君は席から立ち上がり、自分の鞄から巨大な包みを取り出してきた。
「これ、おかあさんが、フラー先生にって!」
「え? あ、そうなの。はい、フラー先生」
「うぐっっ」
思わずむせ返りそうになるのを必死でこらえる。コープ君とアネイル先生は不思議そうな顔でこちらを見つめた。
「い、いやぁ、あ、ありがとう、コープ君」
何とか受け取った包みは、ずっしりと重い。どうやら、これが『今日のお昼』と言うことなのだろう。あああ。
結局、私は自分用にあてがわれた椅子に座ったまま、一時間目が終わるまでその巨大なお昼の包みを抱いたまま授業参観をするはめになった。
(しかし、本当にこれ、どうしよう。とても一竜じゃ食べ切れんしなぁ)
授業の内容などそっちのけで、私は何とかして、この巨大質量兵器を誰も傷つけることなく始末する方法は無いか、必死で考えていた。


「先生! お昼は僕たちと一緒に食べよう!」
などと言うコープ君の発言により『すまないけど、ひそかにお弁当捨てさせてもらうね』作戦はあっけなく失敗してしまった。
しょうがない、こうなったら第二作戦『良かったら私のお弁当食べないか?』しかなかろう。
私はコープ君とその友人達と連れ立って、学校の裏手にある芝生の敷き詰められた庭に腰を下ろした。
「いただきま〜す」
挨拶を済ませると、私は早速生徒達を眺め始めた。
まず、女の子の竜はいくらなんでもかわいそうだろう。こんな高カロリーのものを食べさせたら体に悪いし、ダイエットにも気を使っているらしい素振りがあるからだ。
とすれば、コープ君やその隣に座っている緑竜(リガウ君という名前らしい)辺りが適当だろう。
「こ、コープ君?」
「なにー?」
「その、良かったら……」
そこまで言った時、私は思わずのけぞるしかなかった。
コープ君のお弁当箱、というか弁当を入れる容器が半端じゃない大きさだったからだ。
何しろでかい! 植物のつるで編まれた籠は三段重ねで、一つ一つにサンドイッチやハンバーガー、フライドチキンにポテト、果物にロールケーキにドーナツに、それはもう、普通の竜ならまる一日分ともいえる分量が入っているのだ。
「んにゃろ、俺も負けてられないな!」
などと鼻息も荒く言い放つリガウ君の弁当も、これまた凄い。
大きなナップザックの中から、おにぎりがごろごろ転がりだしてくる。その数、大きさはコープ君の弁当と良い勝負だ。
「あんたたち、この前ワグナス先生に注意されたばっかでしょ。張り合ってバカ食いするなって」
そんな二竜を横目で見つつ、女の仔竜は手にした林檎をかじりながら注意する。
「うるさいな! これは俺とコープの問題だ!」
「あ、リガウ、そのおにぎり一個ちょうだい」
いっつもこんなことやってるのか、この二竜は。
しかもこの時点で、彼らに私の弁当を食べてもらうわけには行かなくなった。生徒の見ている前で、教師の立場の私が二竜を余計に太らせるようなことをするわけにはいかない。
ということは……しかたがない。
私は観念して、自分の包みを開けた。そして、その中にぎっしり詰まった食べ物たちをひたすら食べつくすことに没頭するしかなかった。

「ま、また、食いすぎた……」
ぱんぱんに膨らんだ腹をさすって、私はその場にひっくり返っているしかなかった。幸いにも午後の授業は出席する必要が無いと言われているので、私には自由時間がある。
しかし、このままではあっという間にコープ君のような体型になってしまう。いや、それよりも、食べ過ぎたせいか腹が重くて気持ちが悪い。
「あれ? 先生、まだこんなトコで寝てたの?」
呼びかけられた声に体を起こすと、そこには緑色の大きな姿。リガウ君がこちらを見つめつつ何かをかじっていた。
「いや、ちょっと、食べ過ぎて……」
「コープん家のメシ、うまいけど量が凄いからな。先生、あんま食べるように見えないし」
その通り。元々私は小食なのだ。
「んじゃ、ちょっとこれ、食べてみる?」
そう言いつつ彼は手に持っていた緑色の草を手渡してきた。葉っぱが肉厚で、サボテンのようにも見える。
「なんだね、これは?」
「胃腸薬だよ。俺も時々食ってるんだ」
食欲のかたまりみたいな体からは想像もつかない一言。照れたように、リガウ君は頭をかいた。
「いや、ホントはこんなの食べなくても良いんだけど、コープに張り合って食ってると、時々食べたくなるって言うかさ……」
「んま、じゃあ、ともかく……」
手渡されたそれをかじると、苦味とすっぱさが口中に広がる。むりやり飲み込むと、葉っぱの感触は食道を通って、胃の方に落ち着いた。
「ん? おお、なんだか、楽になってきた……」
「もうしばらくすれば、普通に動けるようになると思うよ」
「うん。本当だ、大分楽になってきた。ありがとう」
この葉っぱの効き目はすばらしい。あれほど苦しかった満腹感が、もうほとんど感じなくなってきている。
リガウ君は、私にその葉っぱの名前と生えている場所を教えて歩き去っていった。意外なことに葉っぱは、学校の花壇の中に植わって
いたのだ。
「アスターゼ草、か」
ちょうど良いので、少し摘んでいこう。今日も晩御飯は山のように出るだろうが、これさえあれば、苦しくなって動けなくなることは
なくなるはずだ。
それと、なるべく早く私の食事の量は減らしてもらうしかない。このままだと、本当にコープ君みたいになってしまう。
重要な知識と目的を心の中に書きとめつつ、私はとりあえず職員室へ戻ることにしたのだった。


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